1月16日付「朝日新聞」の「天声人語」は次のように書いている。

「正月の行事といえば、毎年、電通が主催する年賀会があるが、これほど、こんにちの日本を象徴している行事はそうめったにあるまい。年賀会は九日北海道、12日東京と続き、16日の九州で終わる。東京では帝国ホテルの2、3階、6400平方メートルを借り切る。主会場、模擬店、お祭り広場、民謡酒場、味処、富士浅間神社のお札処。会場にはりめぐらされた電通独特のまんまくの長さは400メートルに及んだ。

……卓に出された料理のうち、ローストビーフだけでも540キロ(牛45頭分)、シタビラメ1200匹。のべ500人のコックが動員された。接待のおかみ、芸妓ら202人。味処で消化されたどじょうは、約2万匹……」

帝国ホテルでの年賀会に招待されたのは、もちろん、新聞、テレビ、雑誌などのマスコミ人ばかりではない。

奥野誠亮(法務大臣)、中曽根康弘(行政管理庁長官)、中川一郎(科学技術庁長官)、桜内義雄(自民党幹事長)、福田一(衆議院議長)をはじめ、政治家は各党から数多く、経済界からは、永野重雄、五島昇、中内功をはじめ、三菱商事、三井物産、鐘紡、日本ビクターなど一流会社の会長、社長などが顔をならべる豪華さで、総数4361人。日本の〝首領(ドン)〟笹川良一や、駐日ソ連大使ドミトリー・ポリャンスキーの顔などが見えたのが、いかにも電通らしかった。

メーン会場(孔雀の間)では、都はるみ、森進一、金沢明子など当代のスターが競演し、バニーガールたちが迎える富士の間では、由紀さおりの司会で、日劇ミュージックホールの踊り子たちが魅惑的なヌードを披露し、気楽にはヌード劇場に入りにくいであろう大会社のトップたちを堪能させていた。


電通
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